キャストガラス キルンワーク

キャストガラス キルンワーク
8月下旬に東京である展覧会の作品制作のために作業を始めました。
今回は2点ほどの出品依頼なのですが大型の建築空間向けのガラス作品になりますので、池本美和・西川慎ともに気合の入った作品になります。
西川は2.3カ月ぶりのキルンワークの窯入れで、キャストガラス技法のガラス作品です。キルンキャストとも言います。
直訳するとキルン(電気炉)キャスト(鋳造)と言う意味で電気炉でガラスを鋳込んだ仕事の事を言います。おもに彫刻的なガラス作品を制作するために私達のガラス工房ではこの技法を使用します。
簡単に言うとキルンワークは、粘土やワックスなどで原型を作り、熱に強い耐火石膏で型を取ります。型の中の粘土やワックスを抜きとります。そこににあらかじめ作っておいたガラスを詰めて、その型を窯の中に入れてゆっくり温度を上げると型の中がガラスで満たされ、原型と同じガラスが出来るわけです。このガラスをガラス加工の技術で磨き上げて完成させます。口で言うと簡単なのですが、この工程で制作した西川のガラス作品で最も時間がかかったものは9カ月以上の作品もあります。
今まででM.Mグラススタジオの一場大きな作品は、一個の塊の鋳造ガラスでは、六本木にあるサントリー美術館(H:807×W:807×D:125mm、150kg)です。つなぎ合わせて制作した作品ではセレスティン三井ビル、エントランスの壁作品(H:7000×W:620×D:250mm、1000kg以上)などがあります。
これらの作品全てがキャストグラスでできていて、同じガラス技法で制作しています。
今日で7月も終わります。
ガラス展に向け、朝の涼しい時間を使って気持ちよく制作をして行きます。

kiln1.JPG
キルンワーク(体積の測定)
粘土原型を抜き取ってその中に水を入れて体積をはかります。
これで、型の中に入れるガラスの量を割り出します。

kiln2.JPG
キルンワーク(窯入れ)
ガラスを詰める前の最終調整。型をなめらかに整えます。
いよいよ窯入れ。ガラスを詰めたらプログラムを入れスタートです。