ガラス建築 ステンドグラスの現代と伝統

ガラス建築 ステンドグラスの現代と伝統
今回のヨーロッパ視察を企画するあたって基軸になった建築があります。それは、ベルリン大聖堂とカイザーヴィルヘイム記念教会です。その中で装飾として使われているステンドグラス、エナメル絵付け、彫刻、照明等々の現代と伝統をどのようにして混在し表現しているのかを実際に観て肌で感じたいと思うところから始まりました。現在、M.Mグラススタジオで取り組んでいる建築空間へのガラス作品の提案の中で時代に左右されることなく普遍的に良いとされる作品を制作するためには、どうしても本物を見なければいけません。実際に世界中の人々がここの建築やガラスを見に来て、何かを感じ、次の世代にも残すべく保存をしようとしている二つを紹介します。

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カイザーヴィルヘイム記念教会 19世紀末に建てられたネオロマネスク様式の教会。第二次世界大戦中の空襲で破壊され、戦争の悲惨さを伝えるモニュメントとしてそのまま保存されています。しかし崩れかけた教会が見当たらなく、どこかな~と探しているところ♪ 実はすぐ後ろにあって現在は補修工事中でした。(白いビルのような建物で教会すべてを覆って補修しています。)

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カイザーヴィルヘイム記念教会 補修工事がなければこんな感じです。(ポストカードより)

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カイザーヴィルヘイム記念教会の真横に1961年に建てられた八角形の教会の内部は壮大なステンドグラスです。キリストの彫刻も現代表現で心に響くものがあります。

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荘厳な雰囲気が空間を包み込みます。

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ガラスは「ダル・ド・ベール」通常のステンドガラスと違い15~20mmほどあるぶ厚いガラスを使用して造る特殊なステンドグラスです。

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この時、教会で行われるパイプオルガンのコンサートのリハーサルが行われていました。
建築の美しさと教会である空間の荘厳さ、パイプオルガンの音色に圧倒されました。
何時間でもこの教会にいたいと思えました。(感動!)

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マルクス・エンゲルス広場の隣にあるベルリン大聖堂。ホーエンソォルレン王家の記念教会です。

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ルネッサンス様式の荘厳な教会で、伝統的なステンドグラスにエナメル絵付けをしたガラスは息をのむ美しさです。また、天井画はフレスコ画とモザイクの混合で描かれているように見えました。

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左はパイプオルガン。楽器自体が現代美術の彫刻のようです。(巨大)

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美しすぎるエナメル絵付け。

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モザイク絵画 ガラス、大理石などを無数のピースを組み合わせて描かれています。
素晴らしいデッサン力です。

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「補修を待つ彫刻たち」一つ一つ大切に保管をして元の場所に帰るのを待ちます。

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どちらも素晴らしい歴史をもち現代に引き継がれている建造物でした。私は両方の建物に入った瞬間、全身に鳥肌が立ちました。何かを見たり感じた時の「鳥肌は」重要なセンサーなのでしょうね♪ 24歳の時に訪れ感じた街の空気と、40歳を目の前にして感じるベルリンの町並みと歴史は大きく違うように感じています。あの時よりも刺激的で学べるものが多かったように思えます。
さあ次の目的地はチェコ共和国「プラハ」にEC国際特急列車で向かいます。