カンディンスキーと青騎士展に行ってきました。
あのヴァリシ―・カンディンスキーの作品が山口県立美術館に来ると知り、会期が始まったらすぐに観に行こうと思っていたのですが、夏はやっぱりガラス工房がとても忙しく会期終了1週間前に駆け込み展覧会を拝見しました。
カンディンスキーは美術を勉強している人ならばだれでも知っている作家です。しかし、一般の人には案外知名度が低いらしいので、一番解りやすくカンディンスキーを説明すると「抽象絵画を発明した人」になります。多くの現代作家が抽象的な表現を用いて表現しています。もちろん私を含めて抽象的な表現でガラス作品を制作する現代ガラス作家達も多くいます。抽象作品とは写実から単純化、さらに抽象表現と繋がり、モティーフを写すのではなく物から感じ取った事柄を精神的な形に置き換えて形創っていく事と私は思っています。例えば、誰かが「月」と言うタイトルの作品を見て「これのどこが月なの?」と疑問に思える様な作品でも、その制作者にとってはどこからどう見ても「これは月だ」と言える事が大切です。つまり、それはなんとなく描いた線や形ではなく、作家本人にしてみればまぎれもなく「月」をモチーフに描いていると言う事なのです。理論的に説明するとややこしい感じですが、単に「なんだか解らないけど綺麗だね♪」とか「何か天体を感じる」みたいなことが感じてもらえれば作家としてはおおかた良い結果になっているのかも知れません。逆に作家にとって「解らないけど綺麗だね」と思ってもらえる作品を制作するのはとても難しい事です。(難) 展覧会では、カンディンスキーが抽象表現にたどり着くまでの経過がとても解りやすく構成されていました。
私とカンディンスキーの作品との初めての出会いは19か20歳の時に開催された「グッケンハイム美術館展」でした。その時見た作品の印象とガラス作家になってから見るカンディンスキーの作品の印象は同じではないけれど、20年も前に見た作品を今も覚えていると言う事は作品の強さに他ならないと思います。私もガラスを通してそんな作品を制作したいと思います。
会期はもう残りわずかですが、機会があれば足を運んでみてはいかがしょうか。
とても良い展覧会でしたよ。
山口県立美術館 本展覧会の看板です♪
奥野看板は二つの大きな看板をずらして置いてあるのですが、見る場所によって綺麗に「カンディンスキーと青騎士展」と読めるようになっています。
「カンディンスキーと青騎士展」展示会場に入るスロープ
カンディンスキーの文字が抽象絵画ふうに構成されています。
カンディンスキーと青騎士展のチラシ
チラシに使われているこの絵画もカンディンスキーにとっては実際に見たリアルな風景なのでしょうね♪