鴨居玲 没後25年 終わらない旅
リバーウォーク北九州にある北九州市立美術館分館に「鴨居玲」展を観に行ってきました。
鴨居玲は金沢に生まれ、金沢美術工芸専門学校(現在の金沢美術工芸大学)で学びました。先日までガラス集中講義に行っていた事もあって、なんとなく身近に感じ、展覧会を観に行こうと、思い立ちました。
鴨居玲の作品との、初めての出会いは受験生の時で、描かれている情景や作家の心理よりも、その圧倒性なデッサン力だけに目を奪われてました。その後、富山近代美術館や金沢県立美術館等で目にした事はあったのですが、今回のように80点余りの作品を一同に観るのは初めてです。
展覧会は、第一章「画家として成功に至る過程」から第二章で「あふれ出る才能と苦悩」、第三章では「早すぎた終焉」と三部構成になっています。
疲れ果てた廃兵、夢とうつつの境を失った酔っぱらい、虚空にたたずむ建造物、皺にまみれた醜い老人、暗く重い画面に照らし出されるように劇的に描かれた人物たちが何とも言えな空気感を観る私達につたえて来ます。私が20年前に観た時の描写力や構成力と言った表面的な事ではなく、何のために作品を書き続けているのか必死で探しているように思えました。暗い画面に多くの自画像を描き、美しいだけでない画面ですが、自己の制作活動を見つめ返す気持ちにさせ、グッと引き込まれる素晴らしい展覧会でした。
北九州市立美術館分館 リバーウォーク北九州
リバーウォーク北九州 大型のショッピングモールです。
「鴨居玲」展 没後25年 終わらない旅 作家の苦悩とひた向きさに感動しました。
初めて北九州市立美術館分館で見た展覧会はガラス作家「ルネ・ラリック」展でした。
静かでとても良い美術館ですよ♪