ニシカワグラス アンド アート | 西川 慎

ガラス作品搬入設置まであと10日

今月の23日から25日の間、東京の再開発オフィスビルのエレベーターホールにガラス作品の搬入、設置で上京します。

始まりは、去年の11月「明るくきれいな空間があるのですが、何か提案できる作品はありませんか?」と話を頂きパースを送って頂きました。
拝見するととてもガラス作品が栄えそうなパブリックスペースで、さすがにアートを扱うプロの方々だけあってこれほどガラス作品に適した場所はないと思うほど光のきれいな空間でした。

では、どの様な空間かと言うと、ガラス作品を設置する後ろ全体が光り壁になっている空間です。
ガラス作品は透過光(後ろからガラスを通して見る光)がとても良いとされています。
特にキャスト技法で制作されたガラス作品はとても奇麗にガラスの素材を感じることのできる光の状態が透過光です。

ガラス素材は、光の感じによって大きく印象が変わります。

どんなに良い作品でもそのガラスの色や形に合っていない光の場所に置けば作品は死んでしまいます。逆を返せば、まあまあな作品でも光の状況が良ければきれいに見えてしまうのもガラス作品なのです。

これはガラス作家にとって、とても注意しなければいけないことです。

光によってガラスを生かすことも殺すことも作家しだい。
また、たまたま光の感じがよく、良い評価を得たならば、作家の実力以上にガラスの素材から助けられたことになります。

作品が生きていく場所、光の様子、作家としての実力、日頃より考えるガラス素材の魅力これらのバランスを探して日々ガラス制作に向き合うことで作品は生まれてきます。

 ガラス作品搬入設置まであと10日、追い込みです!

今のところ順調に進んでいますが、今からが気を抜けないガラス加工の作業が続きます。

 しっかり作品と向き合い、細心の注意を払って仕上げていきます。

西川 慎


キャストガラス作品 石膏型(ガラスを流し込む前の状態です。)
全長1000mmを超える大きい作品です。

今はガラスを鋳込んで、ガラスを削り出し研磨加工進行中です。