池本美和 ガラス作品設置
1月25日26日と池本美和 ガラス作品の設置のため、東京に行ってきました。
東京の世田谷に新築のマンションが建設され、池本美和の「記憶の羽音」シリーズが選ばれました。
外観は赤レンガで構成されたエントランスからロビーに入り、白を基調とした漆喰のような塗り壁に、ミースのソファーとガラステーブル、淡い色調で絵描かれた現代絵画と、とても贅沢で上品な空間です。
そこのエレベーターホールに、かなり大きなニッチが用意されており、池本のガラス作品「記憶の羽音」が設置となりました。
もちろん作品の搬入は滞りなく済んだのですが、そのための下準備は、綿密な計算が必要です。
イメージするのが一番重要なのです。
イメージ?と言っても設置された作品のイメージではなく、どの様な手順で、どの様に開梱し、どのタイミングで接着するのかという工程のイメージです。
この時にこんな失敗をし易いのではないか、このタイミングではやり直しが効かないのではないかなど、ありとあらゆる事を想定して工具などを用意し、ガラス作品の設置に臨むのです。
また、輸送の際も同様に、破損してしまわぬよう厳重に梱包し、開梱の事も考えておきます。
当たり前のようですが、このイメージの深さ、広さによって設置された作品の完成度が違ってくるのです。
私達、ガラス作家は作品を制作して完成ではありません。
作品が独り立ちして、作品だけで存在して(生きて)行ける場所を探し、そこにいつまでも愛され、まるで空気や建築の一部のように存在し続けるところまで用意して、初めて作品の完成をむかえる事ができると思います。
またひとつ、M.Mグラススタジオから作品が旅立ちました。
これから、住むであろう人々に愛され、少しでも作品から安らぎを感じて頂ければと思っております。
ガラス作品の設置を与えてくださいました関係各所の皆様に感謝致します。
西川 慎
「ミースのソファーとガラステーブル」 エントランスホール
「記憶の羽音」
池本美和ガラス作品