玄游会「新春 書のパフォーマンス」
去年の夏に「書とガラス」のコラボレーション「ガラスフェスタ 2008 響 」で大変お世話になりました、書家 矢田照濤先生が会長をされております玄游会「新春 書のパフォーマンス」を観に行ってきました。
六畳ほどの大きな和紙に文字や近代詩を乗りのいいBGMに合わせてダイナミックに書いて行きます。
使用されている筆先は人の頭位の大きさがあり、墨を含むと相当な重さで、その筆を全身を使って一気に書き上げる気迫は会場にもビンビンと伝わり、とても素晴らしいパフォーマンスと感じました。
一つの書を書き上げる時間はおよそ3、4分と短い時間なのですが、その短い時間で作品を仕上げる前に費やされるイメージや毎日の修練の時間を思うと気が遠くなる程の時間を感じずにはいられません。
私達も作品を制作する際に、よく人から「このグラスはどのくらいの時間で造れるのですか?」と聞かれることがあります。
制作時間だけを言えば、15分から20分ですが、何年か前はそのグラスを制作するのに1時間2時間かかってもできない時代があり、毎日の修練やイメージトレーニングがあって今初めてそのグラスを造ることができる15分なのです。
ですから、10年かかってできるようになったグラスの制作時間は10年と15分になるわけです。
全てのもの事には日々の積み重ねがあって成り立っているのだろうと思います。
今日、見せていただいた矢田先生をはじめ諸先生方の「書」作品の中には、それぞれの時間を感じることができたように思います。
私も毎日ガラス制作に励み、ガラス素材と格闘しておりますが、どの分野のどの先生方や誰に観ていただいても、恥ずかしくない時間を感じていただける様に精進しガラス作品に向き合って行きたいと思います。
西川 慎
矢田先生 気迫の一筆 深紅の「鳳」
先生方の作品・中央矢田先生 (宇部空港 2階ロビー)